開放性骨折(複雑骨折)

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開放性骨折 (複雑骨折)

開放性骨折とは別名複雑骨折と言い、骨折を起こした骨が皮膚を貫通し体の外に露出してしまっている状態の事を言います。通常の骨折との一番の違いで最も気をつけないといけないところは細菌感染です。この場合はすぐに専門医を訪ねなくてはなりません。特にgolden hour と呼ばれる受傷後6〜8時間までの処置が最も重要です。

 

Gustilo による開放骨折の分類

Type I

解放創が1cm以下で清浄な開放骨折。横骨折、斜骨折、など単純な型の骨折が多い。

Type II

解放創が1cm以上ではあるが、広範な軟部組織損傷や弁状創を伴わない開放骨折。横骨折、斜骨折、粉砕はあっても軽度で単純な型の骨折が多い。

Type III-A

解放創の大きさに関係なく、強度の外力による広範な軟部組織の剥離や弁状創を伴うが、軟部組織で骨折部を被覆可能な開放骨折。

Type III-B

骨膜の剥離を伴う広範な軟部組織の損傷と、著しい汚染を伴う開放骨折。

Type III-C

解放創の大きさに関わらず、修復を要する動脈損傷を伴う。

〈参考文献〉標準整形外科学 10 P.625

 

原因

開放性骨折では交通事故やスポーツなどで直接ぶつける、挟まれるなど強い衝撃や力が加わった際に起こり、そのおおよそ3割が多発損傷になります。

開放性骨折は骨を覆っている軟部組織が薄い部位に起こりやすく、例えば、ふくらはぎの前面や腕の骨で見られます。

 

治療

開放骨折の初期治療の手順

◉開放創の周囲、創内の清浄化

◉挫滅組織の切除

◉骨折の処置

◉抗菌薬の投与

◉破傷風の予防

ガス壊疽(※1)の予防

◉創の閉鎖

◉皮膚欠損部の処置

 

〈参考文献〉南山堂 医学大辞典 P.315

(※1)嫌気性グラム陽性有芽胞菌であるクロストリジウム・バーフリンジェンス、クロストリジウム・ノビイなどのクロストリジウム属による創の特異的感染症。組織挫滅の著しい汚染創にて、嫌気性環境下で発育、外毒素を産出し、溶血、ショックを惹起する。

 

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